タトゥーのデザインは、その表現手法やモチーフによって大まかに以下のようなジャンルに分けられます。
自分の好みや肌に映えるスタイルを、選ぶ際の参考にしてください。
1. アメリカントラディショナル(アメリカン・オールドスクール)
- 太いアウトラインと原色に近いベタ塗りが特徴
- モチーフ:イーグル、アンカー、ハート、薔薇、スカルなど
- シンプルかつポップな印象で、長年愛される定番スタイル
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2. ネオトラディショナル
- トラディショナルをベースに、より繊細なライン・グラデーションを追加
- カラーパレットが豊富で、深みある陰影表現が可能
- 花や動物、人物像など幅広いモチーフに対応
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3. 和彫り(ジャパニーズ・トラディショナル/刺青)
- 和彫り独特の技法
- モチーフ:龍、鯉、牡丹、桜、風神雷神、般若面など
- 伝統的かつドラマチックな大面積デザインが多い
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4. リアリズム(フォトリアリズム)
- 写真のように細部まで忠実に再現
- ポートレート、動物、静物などが人気
- 針数・工程が多く、仕上がりに高度な技術を要する
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5. トライバル(部族風)
- 黒一色で複雑な幾何学模様やシンボルを構成
- 太めの曲線や鋭角的ラインが織り成す“部族文様”
- マオリ/ポリネシアン、ハワイアン、アフリカンなど各文化由来のデザイン
6. ウォーターカラー(水彩調)
- 墨のにじみやぼかしを多用し、まるで絵の具を散らしたように表現
- 色の境界が曖昧で、軽やかな印象
- 花・鳥・抽象画などアート性の高いモチーフに向く
7. ブラックワーク
- 洗練された黒単色で、面と線のコントラストを強調
- 塗りつぶしやグラデーションのほか、スペース(余白)を活かす手法も
- 幾何学・ドットワークと組み合わせる場合も多い
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8. ドットワーク(点描)
- 点(ドット)をひたすら打ち込んで陰影や形を作る技法
- モノクロで細密な陰影を描けるため、幾何学模様や曼荼羅(マンダラ)に最適
- 仕上がりに独特の“ざらつき感”が生まれる
9. ジオメトリック(幾何学模様)
- 正多角形や線、曲線を組み合わせた幾何学アート
- 対称性やパターンを重視したミニマル/モダンなデザイン
- 他ジャンルとミックスしてアクセントに使うことも
10. バイオメカニカル
- 機械的なパーツと人体組織が融和したようなSF調デザイン
- 立体感・メカ感を極限まで追求
- ロボット風、パイプやギアを透かし見せるような表現が魅力
11. ミニマリスト/ファインライン
- 細い線のみで構成するシンプルな小柄デザイン
- ワンポイントの文字やイラスト、シルエットでさりげなく
- 初めてのタトゥーにも選ばれやすい
12. スクリプト・レタリング
- 筆記体やゴシック体など、文字そのものをデザインとして刻むスタイル
- 英字の詩句・名前・座右の銘などを個性豊かに表現
- 書体選びや配置バランスが仕上がりを左右
13. イラストレイティブ/ウォークスルー
- 漫画や絵本の一場面のように、ストーリー性をもたせたイラスト調
- ポップアート/コミックタッチでユニークに演出
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14. ブラックアンドグレー(Black & Grey)
- 特徴
- 黒インクのみ(あるいはごく薄いグレーインク)を使い、濃淡で陰影を表現
- グラデーション(グレースケール)を重ねることで奥行き・立体感を出す
- 起源・背景
- アメリカ西海岸のチカーノカルチャー(メキシコ系移民コミュニティ)から発展
- 刑務所タトゥーの技術がルーツとされ、限られた資材で陰影をつける手法が確立
- 主なモチーフ
- ポートレート(人物の顔)
- 写実的な風景や静物
- 宗教画、聖母マリア像、十字架などの宗教系デザイン
- ドライフラワーや骸骨、リアルな動物画
- 技術ポイント
- インクを針打ちの強弱で薄めたり重ねたりして、滑らかなトーンをつくる
- 手彫り技法(てぼり)を併用して、よりソフトなぼかしを出す場合も
- 皮膚の質感を活かしながら、くっきりしすぎない“しっとり”とした印象に仕上げる
- こんな人におすすめ
- カラータトゥーに抵抗があるけれど、細部の描写や陰影を楽しみたい
- 写実的な肖像やモノクロ調のアート性を重視したい
- シックで落ち着いた印象を求める
――色味を抑えつつも、計算された陰影で高い表現力を発揮する「ブラックアンドグレー」。
他のジャンルと組み合わせて、ワンポイントにモノクロの肖像やスカルを入れるのも人気です。ぜひタトゥーアーティストと相談しながら、最適なデザインを探してみてください。
【本物のチカーノタトゥー】The 10th man tattoo/Tomoya | タトゥーライフ★TATTOO LIFE
選び方のポイント
- モチーフとの親和性:自分が惹かれる題材(動物・植物・シンボルなど)
- 肌の特性・部位:色の乗りやすさ、シワ・凹凸の有無
- ライフスタイル:職場やプライベートでの見え方/隠しやすさ
- アフターケア:デザイン細密度が高いほど、ケアと時間が必要
──以上を踏まえ、まずは「どんなイメージを長く愛着をもって持てるか」を軸に、タトゥースタジオでアーティストと相談してみることをおすすめします。
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